本展示は、自然に寄り添う「人」の暮らしも併せて紹介する企画展であり、自然らしさと人の営みを感覚的に伝えることを狙い、樹木の皮を剥いだ杉の丸太材をロープで結び合わせて装飾的に施しました。
加えて、南北に長く、海に囲まれた日本列島の各地に、豊かな自然を有する国立公園があることを伝える為に、導入部には全国フロアマップを交えシンボリックに仕立てました。
展示の主役は、自然史標本と自然にまつわる物語。
公園ごとに研究者の先生方ならではの視点で選ばれたトピックを“ ものがたり ”として、それぞれの景観写真と併せてグラフィックを作成。
公園の景色、物語、それにまつわる自然史標本が一連でご覧いただけるよう展示レイアウトしました。
また、国立公園へ実際に訪れてみたいと感じていただけるよう、象徴的な風景や生物、伝統文化の写真を各所にあしらい、項目立てを明確にした展示解説とともに印象的なビジュアル計画を試みています。
地球館特別展示室での企画展開催となった本展示は、コロナ禍に来場されるお客様のソーシャルディスタンスを考慮し、ゆとりある展示スペースと広めの通路幅、また来場者動線の設定を繰り返し検討し開催を迎えました。世の中に緊急事態宣言が発令され、計画途中で開催室変更が決まり、数々特別展・企画展のお手伝いをしてきた弊社としても新たな試みとなりました。