新型感染症の扱いが緩和され、合同展示会に出展する企業が増加。展示会が再び盛り上がっています。この機会に出展回数を増やす等の方針転換や、初めての出展を検討している企業も多いのではないでしょうか。
本コラムでは1~2小間の小規模な出展を検討する方に向けて、出展効果を高めるブース設計のポイントをご紹介いたします。
予算の都合や事業の規模等で、1~2小間で出展を検討する中小企業は少なくありません。
しかし小さい小間での出展だからこそ
展示会への出展経験が浅い、または初出展の企業は、1~2小間といった小規模な出展を選ぶことが多いと思います。
当然ながら小間数が多くなるほど出展費用は増えてしまうので、小規模な小間である分、比較的安価に出展ができます。
展示会出展の予算が取りづらい中小企業等は、まずは1~2小間で出展する企業が多いです。
最小限のスペースであるため、ブースに立ち寄った方へスタッフの目がよく届く状態になります。
またブースに立つスタッフを確保しづらいなど人員配置の不安がある場合も、小さい小間のほうが出展しやすいでしょう。
ブースの規模が小さい分、出展効果を高める際に考慮しなければならないポイントがあります。
小さな小間での出展はメイン通路から外れた配置になる場合が多く、来場者の目に留まりづらいというデメリットがあります。
また社名やサービス名の知名度が低ければ、事前の集客施策だけでは不十分であることも考えられます。通路を歩く人にどのように自社のブースに立ち寄っていただくか、会期中の工夫も必要になるでしょう。
コンパクトで運営しやすい分、一度に対応できる人数も限られるため、スムーズにアテンドするためのスタッフ配置を検討する必要があります。
通路を歩く人をどのようにブース内へ引き込み話を聞いていただくか。担当者の手がふさがっている場合の案内の仕方などもシミュレーションをしておきましょう。
展示会ブースを構成する中で壁面は視界に入りやすい部分です。一方で業界によっては注目度が高い展示物もあるでしょう。これらを効果的に掲出または展示することで、より一層訴求力を高めることができます。
ブースの中で何を目立たせて視線を引き付け来場者に立ち寄っていただくか、要素の優先順位をつけるには製品・サービスの分析が重要です。
例えば人の目線高にあるものは意識せずとも自然に視界に入ってきやすいものです。その効果を利用してキャッチコピーを目線高など目に留まりやすい位置に掲出することで、意図的に視線を集める工夫となります。
また製品自体が注目されるものであれば、キャッチコピーよりも実物への視線を優先し、展示方法を工夫するといった方法をとることも可能です。
とくに合同展示会は情報収集に来場する方が多く、複数のブースを見て回ります。ですから1つのブースに滞在する時間も短く、壁面グラフィックはシンプルで端的に伝わる説明文が見やすいとされています。
どんな目的で出展して、何を紹介するかといった基本的な計画にも関連するため、出展内容の整理が重要になります。
来場者の視線を集める仕掛けを作るためには来場者の行動や視線だけでなく、小間図、ブースサイズ、会場動線といった様々な要素を掛け合わせて効果的な展示方法や見せ方を検討する必要があります。
また人だかりには自然に人が集まってくるといった心理学的な行動現象があります。視線が集中しやすい通路際、通路が交差するコーナー付近、通路の突き当りの目立つ位置など注目されやすい場所を「ホットスポット」と呼び、工夫を凝らすポイント位置です。
このような会場動線の見極めや展示会ブースレイアウトのコツは、業界や出展する展示会テーマ、展示物によって定番の展示方法がある場合も考えられます。出展に不慣れあれば、様々な業界の展示会ブースデザイン・施工を手掛けている企業へ相談するのがおすすめです。
合同展示会はテーマや業種によってエリア分けされることが多く、近隣ブースは同業や競合他社であることがほとんどです。数ある出展企業の中でもビジュアルとして印象付けるためにオリジナル性も考慮することで、会期後に思い出してもらいやすい工夫も必要となります。
アイキャッチとなる展示物や独自性が高いブース造作は、会場内でも目が留まりやすく印象に残ります。さらに企業やサービスのブランディング施策と組み合わせることで、集客と印象付けの相乗効果を狙えるでしょう。
ブースデザインにキャッチ―なコンセプトやモチーフを設定し、配色、装飾、ライティング、素材感等、特徴があるものを選ぶことで、近隣ブースと差別化を図る方法があります。
展示会ブース全体のイメージとして印象に残り、会期後のアフターフォローや次回以降の出展時にも思い出してもらいやすい状態をつくります。
展示会場では短い時間内でサービスや製品詳細を伝えならない場面が多くあります。効果的に「伝える」ための接客アイテムも組み合わせて訴求力を高めましょう。
ブースに立ち寄った方に製品・サービスの説明をする際に、壁面のグラフィックやモニターを使うことが多いと思います。しかしながら来場者が抱える課題は様々であるため、画一的な説明ではニーズに対応できないのではないかと不安に感じることがあるのではないでしょうか。
操作性が高いデジタルホワイトボードであれば、来場者の多様なニーズに柔軟に対応できる接客ツールとして活躍します。1~2小間の小規模な出展こそ、デジタルホワイトボードでプレゼンテーションを含めた運営を検討してみませんか?
1~2小間の小規模出展の場合は、面積の都合上、プレゼンコーナーやデモンストレーションコーナーを設けられない場合が多いでしょう。しかし展示台やモニターを可動式にすることで、狭いブースを最大限に活用でき、訴求力を高めることができます。
実際に触って試してリアルに体験できるものは見聞きするだけよりも印象に残りやすいですから、ブースに立ち寄ってくださった方に新たな気づきや感動を持ち帰っていただくために、対面での会話、コミュニケーションができる企画をぜひ検討してみてください。
展示会出展において、訴求力を高める方法は展示会ブースデザインだけではありません。
出展ブースの大きさに関係なく組み合わせられる集客施策の例をご紹介します。
来場者に自社のブースに立ち寄ってもらうためには、まずは何らかの形で出展していることを知ってもらわなければなりません。ブースデザインやレイアウトの検討と共に、知ってもらう、気づいてもらうための施策も組み合わせてみましょう。
ブーススタッフが同じユニフォームを着用することで、スタッフが一目でわかりやすくなります。
またブースデザインやテーマカラーの踏襲、キャッチコピーをプリントするなどでより統一感が増し、全体の印象として残りやすいメリットがあります。
展示会でノベルティを配布する企業が多いですが、アイテムの選定コンセプトやオリジナルのデザインにもこだわってみませんか?
とくに資料を入れて渡す手提げバッグは来場者が会場内を持ち歩くため、他の来場者の目にも留まりやすく、それ自体が訴求力を高めるアイテムとなり得るでしょう。その他、出展内容を関連するアイテム、サンプル、キャッチ―なデザインは展示会後も印象に残りやすいです。
既に面識のあるお客様や、自社のファン層がいる場合は、事前の出展告知も大切な施策となります。
既に面識のあるお客様に向けては、メルマガ配信や直接のご連絡で出展をお知らせしましょう。お客様の検討状況や課題の変化によって、これまで以上に興味を持ってもらえるタイミングである可能性が考えられるためです。
SNSでの告知は、認知拡大に向けて露出を増やす効果があります。いいね機能やハッシュタグをうまく活用できれば、自社のファン層に留まらず、まだ見ぬユーザーへ届けることが可能です。
協業できる企業がいる場合、共同出展や製品展示においてコラボレーションを検討するのも良いでしょう。
製品の紹介やパンフレットの配布等で協業企業を紹介する代わりに、協業企業に出展状況を紹介していただくなどで、お互いに認知拡大を図ることが可能です。