オフィスデザイン

オフィスで気になる「音」問題|防音ブースや内装素材の対策例を紹介

防音ブースの選び方
2024.03.05

様々な人が利用するオフィスでは、周りから聞こえてくる音や自分の動作による音など、あらゆる「音」問題に悩むことも少なくありません。生産性や作業効率を求めて出社しても、音漏れや雑音によって作業に集中できないことも多いです。
そこで今回は音問題で悩む企業に向けて、快適な執務スペースや会議環境を作るための「オフィスの音環境」の解説するとともに、対策例を紹介します。

オフィスの音問題による影響

オフィス内では作業によって、さまざまな音が生じます。この音は放っておくと作業効率を下げることもあるでしょう。
ここではオフィスで働く人が感じる音の環境問題、音問題を解決するメリットを解説します。


オフィス

オフィスで働く人が感じる音の環境問題とは

オフィスで働く人が感じる音の問題は、大きく分けて二つ挙げられます。

  1. 声の問題
  2. そのほかの生活音
音はドアや壁の隙間から漏れたり、床・壁・天井などに音の振動が伝わったりして、働く人の作業に影響します。

声・会話による音の問題

  • 応接室や会議室から会話や声が漏れ聞こえる
  • 近隣の部署や席からの会話の声が気になる
  • オンライン会議に参加する際に周りの雑音が気になる
「集中して作業したいとき、周りの会話が耳に入り気になってしまう」「たくさんの人には聞かれたくないこそこそ話が響いてしまう」などの問題は多くの企業から聞かれます。
特に会議室の音漏れに関しては、セキュリティ面での不安も伴う場合も考えられるでしょう。

オフィスで発生する生活音

  • パソコンのタイピング音が響いて聞こえる
  • 人が歩く足音が気になる
  • ドアの開閉音などが気になる
オフィスではたくさんの人が働いているため、同じ空間を多くの人で共有します。作業には欠かせないタイピング音や足音など “日常の生活音”がうるさく感じてしまうこともあるでしょう。
席の配置や個人の音の感じ方によっては、仕事に集中できないといった状況に陥ることも少なくありません。

音問題を解決するメリット

音問題への対策をすると、

  • 安心して仕事ができる
  • 業務に集中できる
といったメリットがあります。具体的な3つのメリットをチェックしていきましょう。

集中力・作業効率UP

音漏れや騒音は、業務に対する集中力を低下させます。対策することで、集中力が上がり生産性向上も期待できるでしょう。そのためには会議室だけでなく執務スペースでの対策も大切です。

プライバシーを守る

防音対策は、プライバシー保護の観点から見ても大切です。特にプライバシーに関する情報を扱う企業の場合、会話漏れなどの防音対策は欠かせないでしょう。金融機関や医療機関、法律事務所などでは、対策を徹底していることが多いです。

情報漏洩を防止

防音対策は会議中の会話や社員同士の会話を外部に聞こえないようにするため、個人情報や機密情報漏洩の防止に役立ちます。特に音漏れしたくないエリアが企業内にある場合、防音対策を徹底すると情報を保護でき安心です。

オフィスの音対策の例

以上のような音問題は、オフィス環境の改善として取り組んでいきたいものです。そこで、オフィスの音問題の対策方法を3つご紹介します。

防音ブース

オンライン会議が増えた昨今では特に防音ブースに注目が集まっています。防音ブースとひと口に言っても種類はさまざまで、それぞれに異なる特徴があります。防音の目的や求める防音性能に合わせて選びましょう。

クローズ型

クローズ型とは、個室として区切られたブースを設置するものです。遮音性に優れており、取引先との通話や大切なオンライン会議などに活用できます。
クローズ型はその場に固定されるため、動かすことはできません。費用は比較的高額なものが多く、設置には消防申請が必要です。

セミクローズ型

セミクローズ型とは、クローズ型の天井が空いているタイプのブースです。防音性はクローズ型と比べると落ちるものの、ほとんどの音は遮断できます。
費用はクローズ型よりも安価な場合が多く、消防申請は不要です。クローズ型と同じく動かせないタイプではありますが、消防申請による設置場所の固定といった影響は受けません。

ローパーテーション型

ローパーテーション型とは、簡易的な仕切りで囲まれたタイプです。構造上音は漏れやすいと言えますが、吸音性の違いによって感じ方は大きく変わります。
比較的安価で取り入れやすく、動かすことができる点が他のタイプにはないメリットです。消防申請は必要ないため、任意の場所に設置できます。

内装の素材でオフィスの音対策

防音対策として「密閉した個室を用意すればよい」と考えられることは多いのですが、実は音の大きさはオフィスの床・壁・天井によって左右されます。
そこで、オフィス内装でできる防音対策を考えていきましょう。


オフィスの会議ブース

天井

オフィス内装で一般的に使われる「岩綿吸音天井」には、音を吸収する効果があります。多くのオフィスや住宅、商業施設でも使われている素材ですが、不十分に感じる場合は他の防音対策が必要です。

足音などを発生させる床は、音の伝わりを防ぐために遮音性の高い素材が推奨されます。例えばタイルカーペットは吸音効果があり、足音や下階に伝わる音も低減できるでしょう。

壁・間仕切り

壁や間仕切りにはさまざまな種類・工法があるため、それぞれの防⾳性能はもちろんのこと、コストやデザインなども含めて最適なものを検討するようにしましょう。
例えば会議室は音漏れが少ないスチールパーテーションを選び、執務室は仕上げの自由度が高いLGS+プラスターボードの構造を選択するなど、部屋の目的により選択を変えるのも一案です。

その他の音対策の例(吸音・遮音)

オフィス改装やブース設置のほかにも、音問題の対策方法があります。意外と知られていないその他の音対策をご紹介します。

環境音を流すシステム(サウンドマスキング)

空調⾳のような背景⾳をわざと部屋に流し、外部からの音漏れや遠方の小さな音を聞こえなくするシステムを「サウンドマスキング」と呼びます。オフィスのスピーチプライバシーを改善し、生産性向上に役立てる意味で使われることが多いです。

オフィスの植栽


オフィスの植栽

植物そのものには、騒音を吸収しオフィス環境での集中力を妨げるような騒音を削減する効果があります。また、吸音効果のある素材を使ったディスプレイ用アイテムもあります。
植物は使い方によってはインテリア性の向上や、パーテーションのような目隠し効果も期待できます。

吸音パーテーション


オフィスの吸音パーテーション

吸音パーテーションとは、吸音材を使用した可動式のパーテーションを指します。空間の間仕切りとしても活用でき、目隠しにも使えるでしょう。移動しやすいため、必要な場所にすぐ設置できるのがメリットです。

オフィスの音問題に役立つ資料

音問題の対策方法にはさまざまなものがありますが、これらを一つずつメーカーに確認するのはかなり大変です。業務と並行して、検討が必要な要素を抜き出して見比べるのは難しく、担当者が悩むことも多いです。
音問題を簡単に解決するには、さまざまなオフィス防音に関する手段や種類を取り扱っている業者に一括して相談するのがおすすめです。

防音ブースの選び方【ダウンロード資料】

さまざまな種類のある防音ブース。その選定のポイントはサイズや遮音力、防音力だけではありません。
そこで快適なオフィスや会議環境のために、適切に防⾳ブースの選び方を解説した資料をご用意しました。
執務スペースだけでなく、会議室の音問題改善も検討している方に向けて、防音ブース以外の対策もあわせてご紹介しています。オフィスの音問題にお悩みの方はぜひご参考ください。


まとめ|オフィスの音問題はオフィスデザインで解決

音漏れや音問題の原因はさまざまです。また、働き方改革にはオフィスの環境が大きく関係しています。意外と見落としがちなオフィスの音環境を改善し、働きやすい環境づくりに取り組みましょう。

私たちが提案するオフィスづくりのサービス「コワーキング・ベース」では、ハイブリッドワークを促進し、コミュニケーションが活性化するオフィスをご提案しています。
オフィスの音対策についてはもちろん、オフィス移転・改装の際にはぜひご相談ください。


大中 文人

大中 文人

中央宣伝企画株式会社
オフィス内装事業のリーダー