オフィスデザイン

「従業員意識調査」から始める職場環境改善のコツ!実施例も紹介

2025.04.14

近年、企業価値の向上は、財務指標の改善だけでなく、「人的資本」の強化によっても左右されるようになっています。従業員が働きやすく、意欲的に活躍できる環境を整えることが、持続的な成長の鍵となるからです。
特に、「職場環境の質」「柔軟な働き方を支える基盤整備」「従業員エンゲージメントの向上」は、人的資本経営の重要な要素として注目されています。本コラムでは、企業価値向上の視点から、職場環境改善のポイントを解説します。

なぜ今、人的資本経営が求められるのか?

企業の価値は、財務資本だけでなく「人的資本」によっても大きく左右されます。従業員が持つ知識やスキル、経験、そして組織への貢献意欲こそが、企業の競争力を支える重要な資産となっています。
特に、少子高齢化が進み、人材獲得競争が激化する現代において、従業員が最大限の力を発揮できる環境づくりは、企業の持続的な成長に欠かせません。働き方の多様化に対応し、従業員のエンゲージメントを高めることが、生産性向上やイノベーション創出につながるためです。
さらに、企業の労働環境や人的資本への投資は、投資家や求職者からも注目されるポイントです。人的資本に関する情報を適切に開示し、経営の透明性を高めることは、資本調達や優秀な人材の獲得にもつながります。人的資本経営を強化することが、企業価値の向上へと直結するのです。​

職場環境改善は「オフィス整備」から始めよう

企業の成長や従業員の活躍を支えるためには、働く環境(=インフラ)の整備が重要です。適切なオフィス環境や設備が整っていることで、個人の集中力向上やチームの生産性アップに繋がります。


オフィス環境改善

オフィス環境が個人とチームの力をより引き出す

オフィスは、個人が集中して職務に取り組むための環境であり、チームでのコラボレーションによるイノベーションが起こる場でもあります。理想的なオフィス環境は、どちらのパフォーマンスも引き出す役割を果たします。​

集中と活力のバランスがエンゲージメントを高める

オフィスが適切に設計されていれば、従業員は自分の職務に没頭でき、必要な時にはチームとの円滑なコミュニケーションを通じて活力を得る働き方ができます。この相互作用が​ワーク・エンゲージメント向上に繋がります。

仲間の存在と働きやすい環境で会社への貢献意欲向上​

オフィスの設計変更や設備の改善は、その変化が目に見える・触れられる形で現れるため、従業員はその効果をすぐに実感できます。働きやすい場所とチームに恵まれることで自発的な貢献意欲が向上し、ポジティブな行動になって現れます。​

企業価値を向上するオフィス整備の進め方

オフィス改善に取り組むにあたり、何から手をつけるべきか分からないと悩むことも多いのではないでしょうか。重要なのは、現状の課題を正しく把握し、効果的な改善策を実施することです。


オフィス環境改善

ギャップを埋めるための「従業員意識調査」

戦略的に設計されたアンケートを通じて、従業員の声を正確にデータとして把握すれば、具体的な改善策が見えてきます。
オフィスでの活動の主役は従業員。その本音や実態を把握することで、本当に必要な改善策を見出すことができます。期待が反映されたオフィスを整備できれば満足度を高められるのはもちろん、アンケートに答えてもらうことそのものがオフィスや働き方の改善意識を高めることにもつながります。

弊社の「従業員意識調査」の実施例

ここからは弊社独自に実施した「従業員意識調査」の事例をご紹介します。皆さんの従業員エンゲージメント向上の取り組みの参考になれば幸いです。

弊社の取り組みの経緯

弊社には、企業が取り組むSDGsの研究に端を発した従業員主体のチームがあります。​
企業としての提供価値を高めつつ、従業員が精神的健康と良好な人間関係を保つ働き方とは何か、成長と雇用の“グッド・バランス”を見出すことを目指したボトムアップの活動です。​
​ ​個々がいかに“提案型マインド”になれるかが鍵であると考え、従業員が問題提起や改善提案アクションができる取り組み方を模索し、「オフィス」をテーマとするワークショップ型イベントを開催することにしました。​​
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ワークショップ型イベントを計画するにあたって、自分自身の働きやすさに直結するイメージを持つことにより、イベント参加へのモチベーションにつながると考えました。​​
また参加を促すための工夫として、イベントのテーマを比較的身近なテーマである「オフィス改善」にするとともに、事前にアンケートを行うことにしました。​​​オフィスは普段活動する場であり、使い勝手についてその人なりの意見を持っている可能性が高いためです。​​

調査の実施内容

オンラインアンケートを用いて、オフィスを使用する従業員を対象に調査を行いました。​​​
個々人が職務に没頭し、チームから活力が得られるオフィスでのアクティビティを12の設問に落とし込み、それぞれの設問に対して期待度と満足度を問いました。​​
さらにアクティビティの裏に「自身との向き合い」「人間関係」から生まれる4つの価値を設定し、傾向を分析できるようにしました。​​​

  1. 「自律」:自身と向き合う集中作業と休憩​
  2. 「交流」:同僚との会議や何気ない会話​
  3. 「共創」:社外とのコラボレーション​
  4. 「成長」:上司との対話​

アンケート結果の分析

アンケート結果から、職場環境に対する意識の傾向が明らかになりました。​​
「交流」や「共創」に対する意識は高く、チームワークを活かした働き方が根付いていることがわかりました。一方で、プライバシーの確保や集中しやすい環境づくりには改善の余地があります。また、「自律」や「成長」については、働き方やオフィス環境の工夫によってさらに高められる可能性があることがわかりました。​​

改善に向けたアクション

職場環境の改善は、一度の施策で完結するものではなく、企業の成長とともに進化し続けるものです。私たちは、今回の調査結果をもとに、より働きやすく、個々のパフォーマンスを最大限に引き出せる環境づくりに取り組んでいきます。

今後の改善の進捗を随時追加・発信していく予定です。引き続き職場環境の改善に実践できる場をつくってまいります。

ギャップを可視化する「従業員意識調査」 【DL資料】

職場環境の改善には、まず現状を正しく知ることが大切です。従業員の本音や実態を把握することで、本当に必要な改善策を見出すことができます。

  • オフィス環境は、社員がパフォーマンスを最大限に発揮できる場になっていますか?
  • 「もっとこうだったら働きやすい」と思っている人はいませんか?
  • チームの連携や個々の集中を妨げる要因はないでしょうか?
私たちは、従業員意識調査の設計から分析、オフィス環境整備までをサポートしております。みなさまの職場環境の課題を見つけ、よりよい職場環境づくりにお役立ていただけましたら幸いです。


従業員意識調査から貴社に”ちょうど良いオフィス”を導く

働き方は企業ごとに異なり、最適なオフィス環境も一律ではありません。私たちは、従業員意識調査をはじめ、働き方改革やオフィス整備を一貫してサポートし、貴社に合った改善策を共に考えます。

「どこから手をつけるべきかわからない」「まずは現状を把握したい」そんなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

弊社のオフィス設計についてご興味を持たれた方は、こちらのページでも詳しく紹介しております。

大中 文人

大中 文人

中央宣伝企画株式会社
オフィス内装事業のリーダー