皆さま、こんにちは。
一人でじっと考えているより、偶然の雑談がアイディアを生む瞬間を、皆さんは経験したことはないでしょうか?
今回のコラムでは、テレワークを導入している私たちがオフィス設計で大切にした、会話を生み出す空間デザインについて詳しくお話ししていきます。
私たちは、企画・デザインを通しクライアントの課題を解決する業務を行っているため、アイディアの創出が非常に重要と感じています。
一人でじっと考えているより、雑談から偶然のアイディアを生むことがしばしばあるのですが、移転前のオフィスは、テレワークで出社する人数が減り、広い空間を持て余し、人がまばらでがらんとした雰囲気になっていました。
明確な目的がないかぎり出社することがなくなり、いままで普通にしていた近隣の席の人との会話や、対面で行っていたチームの会議がいかに重要であったか、
テレワーク業務へシフトしてから、ようやく気が付いたのです。
そこで、新しいオフィスは、空間デザインの工夫によって活発なコミュニケーションを促し、自然と会話が生まれるオフィスづくりを目指すことにしました。
活発なコミュニケーションを促すために、空間デザインでこだわったポイントは3点あります。
☞開放的なオフィス
誰かと会話をするためには「出会う」必要があります。
新オフィスは、顔を合わせやすい環境をつくるために、空間を隔てる壁面や背の高い家具の位置に気をつけ、可能な限り見通しを良くしています。
これにより、周りの人がどんな業務をしているか把握しやすくなりました。
ちょっとした相談事があれば、タイミングを見計って気軽に話しかけたり、煮詰まっていると、誰かが話しかけてくれたり、社員同士の会話がぐっと増えました。
また、今回はフリーアドレス制のデスクを採用したこともあり、普段は話をしない人ともたまたま横並びになり話すようになった…なんて声も。
☞ニュアンスカラーと木目を用いた空間
社員同士の気のおけない雑談や、情報交換を促すためには、空間に協調をもたらす必要があります。
緊張した雰囲気では会話は起こりにくいものです。
そこで、カラーと素材感にもしっかりこだわりました。
まずは大きな面積を占めるオフィス壁面に、彩度は低めでも色味のある、ニュアンスカラーを取り入れました。
色味の表情を残しつつも落ち着いた雰囲気のニュアンスカラーには、鎮静効果があると言われています。
今回は、弊社のブランドカラーであるマスタード色と、それを引き立てる補色かつニュアンスカラーのブルーグレーを、弊社オフィスの個性に活かしています。
また、床や家具には木目素材を採用し、自然の表情が醸し出す心地よさをオフィスに取り入れています。
今回は明るい木目素材を選ぶことで、大窓から差し込む明るい外光と、ニュアンスカラーとが調和した、仕事をする場でありながらも和気あいあいとした雰囲気のオフィスをつくり出すことができました。
☞外光が差し込むカウンタースペース
フレキシブルなレイアウトを実現するために、デスクや椅子は基本キャスター付きにしましたが、そうでないスペースも2つ設けました。
1つはカウンタースペースです。
外光が差し込む大窓にハイカウンターを設置しました。
横並びで別々に業務をしていても、隣り合わせた社員同士で気軽な会話が生まれます。
☞会話を促すソファースペース
2つ目はソファースペースです。
新オフィスのちょうど中央に直径120cmもある大きな丸いソファを設置しました。 ちょっと腰掛けるのにとても便利ですし、通りかかった社員が声をかけやすいなど、頻繁に会話が生まれる場所になっています。
このように、様々なスタイルで、心地よく会話のできる空間がオフィスには必要です。
実際にオフィスを使ってみての社員の感想はこちらです。
見通しがよく会話の生まれやすいレイアウトと、調和をもたらすカラーや素材の選定により、社員同士のコミュニケーションが活性化され、知的生産性の向上につながる空間デザインになります。