テレワークが進むなかで、フリーアドレスを導入する企業が増えています。最近では、ABWという働き方も注目を集めるようになりました。
この記事では、フリーアドレスとABWの特徴や、それぞれのメリットとデメリット、導入するための準備について解説します。
目次
ABW(Activity Based Working)は自由な働き方の1つで、フリーアドレスはその自由な働き方を支える手段の1つと言えます。しかし具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
最初に、それぞれの特徴をご紹介します。
フリーアドレスとは、オフィス内で自分専用のデスクや椅子を持たずに、好きな席で仕事をするオフィス環境のことです。
ノートパソコンやタブレット、スマートフォン、無線LANなどがあれば業務が進められる職場で採用されています。
ABWとは、ノートパソコンをはじめとするモバイルツールを駆使しながら、働く場所や時間を自由に選べる働き方です。
フリーアドレスは働く場所がオフィスであるのに対し、ABWはオフィスとは限りません。オフィスのほかにも、自宅やコワーキングスペース、サテライトオフィス、カフェなど、業務内容や気分に合わせて場所を選べます。
フリーアドレスを導入することは、座席の管理だけでなく、業務効率やオフィスのスペース活用にも関わってきます。
ここでは、フリーアドレスを導入するメリットやデメリットをご紹介します。
メリットとして次の3つが挙げられます。
日によって席を変えられるため、部署や部門を超えたコミュニケーションが活発になります。
これにより、同じ部署や部門では得られなかった発想や情報を得ることができ、イノベーションにつながるでしょう。
仕事をしていると、部署を超えてチームを編成したり、チームの人数が急遽変わったりすることもあるでしょう。
フリーアドレスでは席が固定されていないため、チームのメンバーが集まって効率よく業務を進められます。
スタンディングデスクやグループワーク用のデスクを設置したり、在宅勤務を併用したりすることで、省スペース化が実現します。
小規模なオフィスに改装・移転すれば、コスト削減につながるでしょう。
一方で、次のようなデメリットもあります。
席を自由に選ぶことで、同じ部署内のコミュニケーションが少なくなると、組織力が低下する可能性があります。
これを防ぐには、オンラインでやりとりするだけでなく、定期的にヒアリングやミーティングを実施することが大切です。
自分専用のデスクや椅子がなくなると、席を移動するたびに荷物も運ばなくてはなりません。
従業員の負担を軽くするためには、荷物を保管できるロッカーなどの設置を検討したほうがよいでしょう。
自由なオフィスの使い方を検討する一方で、社員が自由に働き方を選べることが、まさに働き方改革に直結することもあります。
続いて、ABWのメリットとデメリットをご紹介します。
次の3つのメリットが挙げられます。
オフィス以外のさまざまな場所で働けるため、オフィス内の使われないスペースが明確になります。
オフィスのレイアウトを見直して規模を小さくすれば、コストを削減できるでしょう。
たとえば育児や介護で家を離れられない場合、仕事を休むのではなく在宅勤務を選んだり、家族の状況に合わせて都合のよい時間に業務を進めたりと、柔軟に対応できます。
自宅や、会社より近くにあるカフェで仕事をすれば、通勤時間も削減でき、プライベートの時間が増えます。
ワークライフバランスが実現すれば、従業員のモチベーションアップにつながるでしょう。
高度なスキルがあり就職先の選択肢が多い人材は、働き方の自由度を一つの基準として就職先を選ぶ傾向にあります。
ABWによる働きやすい環境をアピールできれば、優秀な人材の獲得につながるでしょう。
一方で、次のようなデメリットもあります。
さまざまな場所で仕事をすることで、上司は部下の勤怠管理や人事評価をすることが難しくなります。
これまで人事評価において、勤務態度の比重が高かったのであれば、成果の比重を高くするなど、評価方法を見直す必要があるでしょう。
オフィス以外の場所で働く機会が増え、ノートパソコンを紛失したり、信頼性の低い公共Wi-Fiに接続したりすると、情報漏えいにつながります。
これを避けるには、セキュリティに関するルールを見直して、社員に周知徹底しなくてはなりません。
フリーアドレスやABWを導入する際に重要な準備は、次の3つです。導入を検討している方は、ぜひご参考ください。
最適なオフィスに整備しないままフリーアドレスやABWを導入すると、導入したメリットが感じられない可能性があります。
具体的には、次のような物が必要になります。
オフィス内の物の配置が変わったり省スペース化したりすることにより、オフィスの改装や移転が必要になることもあるでしょう。
出退勤の時間管理ができる「勤怠管理システム」や、業務時間内のみ従業員の位置を把握できる「位置情報システム」を導入することもおすすめです。
上司が部下の勤怠管理をしやすくなるだけでなく、従業員同士で話をしたいときに人探しがいらなくなり、効率よく仕事を進められます。
より良い働き方の考察には、実際にオフィスを使う人をはじめ、様々な部署の意見交換が大切です。
フリーアドレスやABWの導入検討は特定の部署だけで行わずに、各部署からメンバーを選出し、チームを組んで取り組むことが効果的な働き方改革に繋がるでしょう。
フリーアドレスやABWを導入する際は、オフィス改装・移転を含むオフィスの整備が必要になります。
私たちがご提案している、働き方改革を推進するオフィスづくりのサービス「コワーキング・ベース」では、オフィス改装・移転のお悩みも承っております。
サービスの概要は以下で公開しておりますので、フリーアドレスやABWを導入する際のヒントにぜひご参考ください。