店舗内装

飲食店の動線設計のコツとは?客動線とホールレイアウトの考え方を解説

飲食店の動線設計
2024.09.05

飲食店の設計において、お客様に居心地の良さを感じていただくためには、ホールのレイアウトや動線の設計が重要です。さらに居心地の良さは体験価値に直結し、売り上げ向上やリピート客の獲得にもつながります。

本コラムでは飲食店のレイアウトと、お客様の動線をどのように設計していくかの考え方を紹介いたします。
ホール動線を設計したい方、見直したい方はぜひ参考にしてください。

飲食店の動線の考え方とは?

飲食店のリピーターを増やすためには、内装のデザイン性や清潔さはもちろんのこと、店内での居心地の良さも欠かせません。
その居心地の良さを作る要素の一つが動線設計です。

飲食店の動線設計の基本

「動線」とは「人と物が動く線」です。行ったり来たりする動きであり、一連の動きを線でつなぐことができます。
ここでは飲食店のレイアウト設計を前提に、「人が動く線」を解説します。飲食店においては、大きく分けて2つの動線が存在します。

客動線

1つは、 お客様の動線となる「客動線」です。
客動線の設計がよく考えられていると、お客様は入店から退店まで迷わず自然な流れで移動することができます。

作業動線

もう1つは、ホールスタッフや厨房スタッフの動線となる「作業動線」です。
作業動線がうまく設計できていると、スタッフの無駄な動きが減り、業務効率化を図ることができます。

ホールレイアウトで気を付ける基本ポイント

人の動線と共に、ホールのレイアウトも同時に考えていく必要があります。動線の設計と通路幅の考え方を見ていきましょう。

作業動線と客動線の交差を避ける

お客様とスタッフの動線が交差してしまうと、

  • お客様とスタッフがぶつかる可能性が高まる
  • 配膳中のスタッフにお客様が気を使う場面が増える
などが考えられます。
これによってお客様がリラックスしづらくなったり、居心地の悪い空間になったりしてしまうため注意が必要です。

通路幅にゆとりを確保する

ホールのメイン通路幅は120cmが理想です。荷物を抱えた人が行き交うことや、安全な間隔て車いすが通れる状態を想定しています。
店舗面積の都合などで120cmの確保が難しい場合でも、横歩きで人と人がすれ違うことができる最低の幅として90㎝は確保するようにします。

飲食店のストーリーテリングにおける客動線とは

ホールレイアウトと導線を考えるためにお客様の動きの整理をしましょう。
お客様が入店し、注文し、食事を終え、会計をしてお店を出ていくまでにどのような一連の流れがあるのか、1つずつ動きを追っていきます。

席についてから注文する場合

その空間の雰囲気や居心地を重視するような店舗レストランや喫茶店などでは、席についてから注文し、レジで会計をしてから退店します。
ですから動線として、以下のような流れが考えられます。

  • 1,入口→席
  • 2,席→お手洗い
  • 3,席→レジ
この場合、お客様が入店してから迷わず席に案内できるか、または待ち時間がある場合はどのように待機していただくかなど、検討する必要があります。
また動線の設計だけでなく、ホールスタッフの接客の質なども求められます。


飲食店の動線設計

カウンターで注文する場合

回転率や賑やかさなどを求めるフードコートやファストフード店などの場合は、入店し席を確保してから、メニューを確定してカウンターで注文と会計を行い、席に戻ります。
お客様の移動が多い上、人が溜まりやすい場所も増えるため、複数のポイントで客動線が混雑することが考えられます。

  • 1,入口→席
  • 2,席→注文カウンター
  • 3,注文カウンター→席
  • 4,席→返却口
いずれの動きでもシンプルな動線を設計するほか、通路ではお客様同士が頻繁にすれ違うため、通路幅も確保しなければなりません。
さらにお客様が移動する際に迷わないように、メニューやカウンターなどを示す視認性の高いサイン設計が必要となります。


飲食店の動線設計

体験価値を高めるストーリーテリングとは

お客様に「また来たい」と感じてもらうためには、心地よい体験を提供することが重要です。
その体験を提供するための「コンセプトを伝えるストーリーテリング」は、こちらのコラムでも紹介しています。

客動線の改善が飲食店の回転率向上に寄与

飲食店の売り上げと回転率は大きく関連しますが、この回転率を上げるためには客動線の改善も必要です。

客動線を見直すポイントの例

飲食店において、混雑する時間帯は特に入口に人が集中するため、入口の混雑緩和が注意するポイントの1つとなります。
たとえば、

  • アプリでメニューを見られる仕組みを作る
  • 空いている席が入店時にすぐにわかる
など、工夫を施すことで客動線を改善し、体験価値の向上を狙うことができます。これらは飲食店の回転率に大きく関わる要素です。
まずは入店までの流れと入口の動線を見直してから、全体の動線を見直すなど、段階を追って改善していくこともできます。

飲食店設計における座席の考え方

飲食店のレイアウト設計に関しては、居心地と回転率のバランスを見極める必要があります。詳しくはこちらの記事でも紹介しています。

飲食店のレイアウトや動線の無駄を見直すならプロに相談

スムーズなホール動線は、お客様の満足度だけでなく、その店舗の回転率と売り上げにも関わります。

  • 部分的に混雑しやすい
  • お客様が混乱する場面が見られる
  • 発生しやすいトラブルがある
など、お客様が入店から退店までにボトルネックとなる要素があれば、早急に動線設計をやアテンド方法を見直すようにしましょう。
特に最近ではテイクアウトや配達販売のほか、注文・支払い方法の多様化などにより、動線が交錯するケースが多々発生していますので注意が必要です。

こういった飲食店のレイアウトや動線設計は、様々な空間設計の知見とノウハウが役立ちます。
私たち中央宣伝企画株式会社では、こうした飲食店のレイアウト設計ほか、お客様の満足度を高める飲食店のストーリーテリングの設計をご支援しております。
お困りごとがございましたら是非ご相談ください。

小山 琢

小山 琢

中央宣伝企画株式会社