飲食店の設計において、お客様に居心地の良さを感じていただくためには、ホールのレイアウトや動線の設計が重要です。さらに居心地の良さは体験価値に直結し、売り上げ向上やリピート客の獲得にもつながります。
本コラムでは飲食店のレイアウトと、お客様の動線をどのように設計していくかの考え方を紹介いたします。
ホール動線を設計したい方、見直したい方はぜひ参考にしてください。
目次
飲食店のリピーターを増やすためには、内装のデザイン性や清潔さはもちろんのこと、店内での居心地の良さも欠かせません。
その居心地の良さを作る要素の一つが動線設計です。
「動線」とは「人と物が動く線」です。行ったり来たりする動きであり、一連の動きを線でつなぐことができます。
ここでは飲食店のレイアウト設計を前提に、「人が動く線」を解説します。飲食店においては、大きく分けて2つの動線が存在します。
1つは、 お客様の動線となる「客動線」です。
客動線の設計がよく考えられていると、お客様は入店から退店まで迷わず自然な流れで移動することができます。
もう1つは、ホールスタッフや厨房スタッフの動線となる「作業動線」です。
作業動線がうまく設計できていると、スタッフの無駄な動きが減り、業務効率化を図ることができます。
人の動線と共に、ホールのレイアウトも同時に考えていく必要があります。動線の設計と通路幅の考え方を見ていきましょう。
お客様とスタッフの動線が交差してしまうと、
ホールのメイン通路幅は120cmが理想です。荷物を抱えた人が行き交うことや、安全な間隔て車いすが通れる状態を想定しています。
店舗面積の都合などで120cmの確保が難しい場合でも、横歩きで人と人がすれ違うことができる最低の幅として90㎝は確保するようにします。
ホールレイアウトと導線を考えるためにお客様の動きの整理をしましょう。
お客様が入店し、注文し、食事を終え、会計をしてお店を出ていくまでにどのような一連の流れがあるのか、1つずつ動きを追っていきます。
その空間の雰囲気や居心地を重視するような店舗レストランや喫茶店などでは、席についてから注文し、レジで会計をしてから退店します。
ですから動線として、以下のような流れが考えられます。
回転率や賑やかさなどを求めるフードコートやファストフード店などの場合は、入店し席を確保してから、メニューを確定してカウンターで注文と会計を行い、席に戻ります。
お客様の移動が多い上、人が溜まりやすい場所も増えるため、複数のポイントで客動線が混雑することが考えられます。
お客様に「また来たい」と感じてもらうためには、心地よい体験を提供することが重要です。
その体験を提供するための「コンセプトを伝えるストーリーテリング」は、こちらのコラムでも紹介しています。
飲食店の売り上げと回転率は大きく関連しますが、この回転率を上げるためには客動線の改善も必要です。
飲食店において、混雑する時間帯は特に入口に人が集中するため、入口の混雑緩和が注意するポイントの1つとなります。
たとえば、
飲食店のレイアウト設計に関しては、居心地と回転率のバランスを見極める必要があります。詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
スムーズなホール動線は、お客様の満足度だけでなく、その店舗の回転率と売り上げにも関わります。